クルマを題材にした漫画作品はいくつもありますが、そのなかでも海外を含めて絶大な人気を誇る作品となると限られてきます。1995年から連載された「頭文字(イニシャル)D」は、これらに含まれる数少ない作品の一つです。作中では主人公の藤原拓海が旧式で非力なAE86型スプリンタートレノを駆り、高性能車に乗るライバルたちに峠のバトルで勝ち進んでいくと共に、ドライバーとしても人間としても成長していく姿が描かれています。
この漫画がヒットしたことにより、「ドリフト」と呼ばれる走行スタイルが一般的に知られるようになり、同時にAE86というクルマにもスポットが当たりました。その影響は大きく、後に2012年トヨタから新たに86という名の新型車が登場するきっかけにもなりました。それだけ自動車業界にも大きな影響を与えた作品ですが、登場した車種の人気が現在でも高いことも特徴的といえます。そこで今回は、頭文字Dの登場車から特に人気のある7台を紹介。あわせて、セルカでの買取実績リンクも用意しました。参考までにご覧ください。
トヨタ スプリンタートレノ(AE86)
作中では「ハチロク」や「AE86」と呼ばれることが多いですが、AE86は車種名ではなく型式。1983年に発売された、4代目カローラレビンと同じくスプリンタートレノの型式がAE86になります。主人公の藤原拓海はスプリンタートレノに搭乗し、ハイパワーカーのライバル勢を次々と倒していきます。ほかにも、ターボチューンを施したカローラレビンを駆る秋山渉や、作中ラストのバトルの相手でスプリンタートレノに乗る乾信司など、ライバルたちも搭乗している、物語の中心的車種でもあります。
カローラレビン、スプリンタートレノの歴代モデルのなかでも最後のFRモデルとなったAE86ですが、連載開始直後の世の中はハイパワー化がトレンドだった背景もあり、1.6Lの自然吸気エンジンで130psというAE86はそこまで人気がありませんでした。中古車の台数も豊富であり、安く買える練習用クルマという立ち位置でした。
しかし、数々のモータースポーツカテゴリーでの活躍や、メディアを中心とした高い評価、漫画の影響から海外での人気も上がったため、現在では中古相場は驚くほど高騰しています。
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マツダ サバンナ RX-7(FC3S)
物語の始まりの舞台でもある群馬エリアで最速とされていたキャラクター、高橋涼介が駆るのがFC3S型2代目マツダ サバンナRX-7です。1985年に登場し、マツダのアイデンティティともいえるロータリーエンジンを搭載。採用された13B型ターボエンジンは当時トップクラスの最高出力185psを発生し、89年のマイナーチェンジでは205psへとパワーアップしました。
また、国産車として初めて対向4ピストンブレーキキャリパーが採用され、新開発のプラットフォームが与えられるなど、フットワーク性能にも磨きをかけたフルモデルチェンジが行われました。
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アンフィニ RX-7(FD3S)
高橋涼介の弟で物語の中心人物のひとり、高橋啓介が駆るのがRX-7としては3代目になるFD3S型です。エンジンは2代目の13B型を踏襲するものの、シーケンシャルツインターボで武装され1991年の登場時には255psに、マイナーチェンジで進化していき265ps、そして最終的に280psへとパワーアップしていきました。
また、コンパクトなロータリーエンジンの特徴を生かし、ハイパワーながら理想的な重量配分と軽量な車重を実現。サスペンションには新たに高性能な4輪ダブルウィッシュボーンが与えられ、当時国産車最速のコーナリングマシンともいわれました。
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日産 スカイラインGT-R(R32)
作品の前半で登場する妙義山をメインコースとするライバル、中里毅の愛車がR32型スカイラインGT-Rです。「GT-R」としては16年振りに復活したモデルで、そこには当時のツーリングカーレースで最高峰のグループA既定レースで勝利を飾るという大きな目的がありました。
レースに深く関係しているという部分では、レーシングカー由来のエンジンを搭載していた初代ハコスカGT-Rも同じです。強力なRB26DETT型エンジン、FRと4WDのイイトコどりをしたような電子制御4WDシステム「アテーサET-S」など、ベース車両の性能が大きく影響するグループAレースで勝つために、当時最新のメカニズムが投入されていました。
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三菱 ランサーエボリューションⅢ(CE9A)
群馬の隣県である「栃木からの刺客」として作中に登場する、日光いろは坂を本拠地とする走り屋チーム、エンペラー。そのリーダーである須藤京一が乗るのがランサーエボリューションⅢです。
三菱の小型セダンランサーをベースに、1992年に登場したランサーエボリューション。WRC(世界ラリー選手権)では前任にあたるギャランVR-4のメカニズム(2.0Lターボ+4WD)を、そのままひとまわり小型なボディのランサーに移植しホモロゲーションを取得したランエボは、まさにWRCを制するために生まれたモデルでした。WRCでは96年名手トミ・マキネンによりドライバーズチャンピオンを獲得。三菱に初めてのWRCタイトルをもたらしました。
須藤京一が駆る1995年登場のⅢは、エンジンのパワーアップや冷却・空力性能を考慮したエアロパーツの採用などがされました。作中では、主人公の藤原拓海に初めて黒星をつけたクルマでもあります。
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三菱 ランサーエボリューションⅣ(CN9A)
エンペラーのナンバー2である岩城清次が駆るのがランサーエボリューションⅣ。作中では岩城清次が群馬エリアの走り屋たちに次々と黒星を付ける様子が描かれており、作中でも上位を争うほどの「ヒール」として描かれています。
エボⅣはベースとなるランサーがフルモデルチェンジした後のランサーエボリューションで、第2世代とも称されます。最大の特徴は、後輪の左右の駆動力を変化させて、よりハイスピードのコーナリングを実現するAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)が採用されたことです。エンジンも当時の自主規制280psまでパワーアップするなど、速さに関する進化も目覚ましいモデルでした。
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スバル インプレッサクーペWRX STI(GC8)
主人公藤原拓海の父であり、作中では「伝説の走り屋」とも表現されている藤原文太。藤原拓海に豆腐の配達をさせ、ドライビングテクニックの英才教育を自然と行った張本人でもあります。
そんな藤原文太が作中の途中から駆るのが、このインプレッサWRX STIです。藤原拓海が遠征バトルなどでAE86を多用するようになり、自身用のクルマとして「実用的でラクなやつ」として購入してきました。こちらもランサーエボリューション同様にWRCでの勝利を目標として開発され、ハイパワーのターボエンジンと駆動力に優れる4WDシステムを採用しています。
クーペのWRXは、97年にWRCのラリーカーがグループAからWRカー規定へと変わった際にクーペモデルベースとなったことがきっかけで登場しました。WRCのイメージを受け人気を博しましたが、セダンボディに比べると個体数が少ないため高額で取引されるケースが多く見られます。
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<文=青山朋弘 写真=トヨタ/マツダ/日産/三菱/スバル>